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1.  來田 奈央/森田 真沙也(木下アカデミー/木下アカデミー) 161.92
2.  岸本 彩良/田村 篤彦(西武東伏見FSC/西武東伏見FSC) 133.82
3.  山下 珂歩/永田 裕人(倉敷FSC/倉敷FSC) 109.15
4.  原澤 七愛/熊野 英輔(神奈川FSC/多摩大学目黒高等学校)   94.31



來田奈央&森田真沙也組の昨季からの成長が目覚ましく、他のカップルとは完全に別次元にいた。今季結成の岸本彩良&田村篤彦組も夏のカナダのローカル大会でのデビューから格段に上手くなっており、さすがはI.AMといったところか。来季はJGPS派遣もありそうだ。今季倉敷FSCに移籍した山下珂歩&永田裕人組は、昨季は山下選手が色々と健康上の問題を抱えていたのだが、それが解消されたおかげか演技に安定感が増した。個人的には今後有川梨絵コーチと立野在コーチの指導の効果がどのように現れていくかに注目していきたい。原澤七愛&熊野英輔組は今季結成のカップルで、熊野選手は昨季別の選手と出場していた。まずはカップルが長く続くことを祈ろう。

RDでは來田&森田組以外はパターンダンス(PD)のArgentine Tangoのキーポイントがほぼ全滅で(岸本&田村組がかろうじてYを一つだけ取れていた(^_^;))、やはり基礎って大事なんだなと実感した。今季シニアのRDにはPDがないのだが、英語のフォーラムで経験者が「アイスダンスの中で一番難しいのがPDなのに」と反対していた。シニアの村元哉中&高橋大輔組も「フィギュアスケートLife Vol.28」のインタビュー記事の中で「(PDを無くすのは)良くない、面白くない、それじゃアイスダンスじゃない」ときっぱり反対している。また、山下&永田組のリフトが予選会のStaLiからRoLiに変更になっていた。おそらくStaLiがレベル2に留まったためRoLiに変更したものと思われるが、FDのRoLiと構成の重複を避けたためかこちらもレベル2に留まった。(今季からRDとFDで同じリフトを使い回せなくなった。ちなみに山下&永田組のFDのRoLiはレベル4。)まだ男性の身体ができあがっていないジュニアのカップルにとってリフトの構成のバリエーションを増やすのは大変そうだ。

FDは「Star Wars: The Rise of Skywalker」(原澤&熊野組)→「Moulin Rouge!」(山下&永田組)→「The Pulp Fiction」(岸本&田村組)→「Red Notice / Who Can You Trust / Rogue」(來田&森田組)の滑走順で、どのプログラムも音楽編集から振付まで構成がよくできていて見応えがあった。(CSではダイジェストではなく全部を放送してくれればいいのだが…。)山下&永田組の「Moulin Rouge!」はトランジションの振付があちこち変わってより洗練されたプログラムになっていた。岸本&田村組の「The Pulp Fiction」はときどき勢いが余って危なっかしいところもあったが、思い切りの良い演技で見ていて楽しかった。ちなみにカナダのローカル大会での初披露でノーバリューになったChStは田村選手が氷の上に横たわる部分はなくなったが腕立て伏せは残ったw。田村選手は昨季からキャラクターが変わったようだ(褒めている)。


全日本選手権には全日本ジュニア選手権から男子シングル上位8名、女子シングル上位8名、ペア1組が推薦で出場する。(村上遥奈選手と森口澄士選手はシングルとペアの両方で出場することになるので大忙しだ。)アイスダンスはジュニアとシニアでRDの課題が異なるためそもそも掛け持ちが非常に難しく、したがって全日本ジュニアから全日本への推薦もない。


(おしまい。)